「台湾、パイン問題の『果実』」
3月18日の日本経済新聞にこんなタイトルの記事が出ていました。
ちょっと興味深い記事だったので紹介します。
台湾パイン問題といえば、ざっくり説明するとこんな話です。
・今年3月から中国が害虫問題を理由に台湾産のパイナップルの輸入を全面的に停止
・台湾産パインの輸出先の9割は中国
・これに対して台湾は「言いがかりだ、中国には屈しない」と主張。台湾国内や海外でも買い支えムードが広がり、日本などにも支援の輪が広がり新規輸出増、友好ムードが醸成された
この話は様々なメディアで報道されていたので、ご存じの方もいらっしゃると思います。かくいう私も「そうなんだなぁ。台湾のパイナップルを買ってみようかな」くらいの理解でした。
ただこの記事はこう続きます
・台湾の農業委員会によると昨年の台湾パイナップルの生産量は40万トン強
・その大半の9割は台湾国内で消費
・残りの1割だけが輸出され、その1割の中の9割を中国が占めていたというもの
・昨年の台湾の中国向け輸出は過去最高の1514億ドル(そのうちパイナップルは0.03%)
あれ?って気持ちになりますよね。
もちろん厳密にいえば、この記事に用いられている数字の裏も調べる必要があるのですが、他のメディアから聞こえる報道とのギャップというか、数字の面白いところというか、表現の難しさというか、いろいろ考えさせてくれる記事でした。
数字をつかうと説得力が増しますが、見せ方ひとつで印象もガラッと変わります。
時に我々を冷静にさせてくれますが、時に大いなる勘違いを誘発します。
数字と仲良く、上手に付き合っていきたいと思う今日この頃でした。
・・・そうこうしていたらパイナップルが食べたくなってきました(笑)
それではまた。